こういうのを、セレンディピティという。おじいさん、ありがとう。

一人暮らしをしていると、自分の身は自分で守り、周辺環境のことは最低限知っておかなくちゃ、と思って毎月広報を読んでいます。

広報を読んでいて、庭園に行こうと思ったので、熱田区にある白鳥庭園に行ってきました。

 

開園とほぼ同時に入ったためか、人気は感じないけれども、すぐに、ここは癒される場所であることがわかりました。

ところが、5分も経たないうちに、高齢者の方が話し掛けてくださって、結果的に30分くらいはお話をしてしまいました。

 

お抹茶付きの入館料を支払って、得られたものは、白鳥庭園の魅力以外のもののほうが大きかったのです。

 

カメラが趣味だという83歳の男性は、今日は、カワセミを撮影しに来たと言っていました。

 

今、振り返ると、どうして見知らぬ人と、あんなに長くお話ができたのだろう、と思います。

ちゃんと、コミュニケーションが取れる人だったから。というのは要因だったかと思います。

話しかけられたのは、こちらなのに、たくさんの質問に答えてくださって、その人の輪郭が見えてきたからかなぁ、とも思います。

 

趣味のカメラは、50代から始めたという。

脊椎間狭窄症があり、足が痺れるけど、町医者に行っても湿布を出されるだけ。

リハビリもするけど、こうやって好きなことをしていると、多少痛みのことを忘れられる。

全国のいろんな場所へ行って、お猿さんの写真を撮るようになって、カメラ仲間ができるようになった。

地獄谷温泉に行った時は、夜中に出て、30分かけて山を登ったよ。

(何度も足を運んで、漕ぎ着けて)、個展を開くことになって、自分で20枚も額縁を買ったりしてね。無駄金だったよ(笑)

 

ただ、その人の話を聞いているだけだったけど、知性があって、お話の組み立て方が柔らかで聞いていて、楽しかったです。

知らない人に「豊かですね。」と言えたのは、初めてだったかもしれません。

 

最後にその人は、

「退屈しのぎに付き合ってくれてありがとう。」

と言っていました。

 

 

退屈かぁ、いいなぁ。

って思ったけど、ほんとうは、自分の人生を生きている姿を見て、いいなぁ。と思ったんだと思います。

 

そして、余生を楽しむ頃に、趣味というのは活きてくるのだなぁと強く感じました。

 

庭園に行く前に、俳句を詠んでいました。

そのおじいさんも、俳句を詠むと言っていました。

知恵をつけることの目的について、少しわかったような気がしました。

 

束の間の癒しの時間が、おじいさんのお陰で、学びの時間になりました。

和菓子を食べ、鰻を食べ、フレンチでカツレツを食べるという、予期せぬ日も、たまには良い。

Have a good day🍀

コメントを残す